TRONペッグのステーブルコインUSDD(Decentralized USD)はLUNAのような高金利で大丈夫なのか?

USDDはTRON(TRX)とペッグされたアルゴリズム型のステーブルコインです。
2022年6月時点でDeFi(分散型金融)への預入総額(TVL)がアバランチやソラナを抜き、全ブロックチェーンで第3位に上昇しました。

最新の状況はデータの集計を行っている、DeFi Llama(ディファイラマ)で確認できます。
https://defillama.com/top-protocols

急成長を見せているトロン基盤のUSDDですが、概要だけ見ると、2022年5月に大暴落をしたLUNAのUSTと同じ仕組みで動いていることがわかります。
普通に考えれば「これは大丈夫なのか?」と疑問に思いますよね?そこで徹底的に暴落の可能性を調べてみました。

USDDの現況

TRON(TRX)は2022/6/3時点でTVL(ロックされている資金)が61億ドル(7930億円)を突破しています。

5月の始めはTVLランキング6位でしたが、TerraUSDが崩壊したことや、USDDのローンチが始まったことがきっかけで、一気に順位を伸ばしました。

USDDの仕組み

USDDはアルゴリズム型のステーブルコインのため、1USDD=1米ドルの価値を維持します。

価格変動が起きた際に、裁定取引(アービトラージ)の機会を創出されトロン(TRX)の出し入れでUSDDの価格が1ドルを維持する仕組みです。

裁定取引(アービトラージ)とは同一価格の商品に、一時的な価格差が生まれた場合、割高な方を売って割安な方を買い、その後両方の価格差が縮まった際に反対売買を行う取引のことです。

トロンUSDDとTerraUSTの違い

基本的な仕組みは一緒のようです。

参考にしたのは、TRON創業者であるJustin Sun氏が6/1に投稿したブログです。
https://www.hejustinsun.com/post/improving-usdd-from-lessons-learned

このブログではUSDDのアイデアは、Terraの劇的な上昇を目の当たりにして思い付いたと話しています。
そのため基本的には、USTと同じ構造の分散型アルゴリズムステーブルコインと言っても良いと思います。

ただLUNAの暴落を見て学んだことにより、より優れたステーブルコインの構築をしていると言っています。

記事によると、Terraと異なる点は大きく2点挙げられます。
・ビットコインやTRONだけでなく、USDTやUSDCによって常に過剰担保されている。担保率は現在180〜200%の範囲
・USDDの供給量に上限がある。USDDの供給をゆっくり増やすことで、拡大に注意する。

資産の透明化のため、近いうちにTRONDAOウェブサイトで詳細を表示する予定となっています。

イーサリアムの創設者の見解

下記記事では、イーサリアムの創設者であるVitalikButerin(ヴィタリック・ブテリン)氏が、ステーブルコインに対して考えていること知ることができます。
https://cryptoslate.com/ethereum-founder-vitalik-buterin-sees-potential-for-algorithmic-stablecoins/

記事ではステーブルコインの様々な解説が書かれていますが、一番重要な部分は、ヴィタリック氏が「年利20%以上のステーブルコインは存在しない」と言っている点でしょう。
これだけ高金利になるとそれはポンジに変わり、ある日突然バタンッと崩壊するまで、しばらくの間驚くべきリターンを与えると解説しています。

最終的にヴィタリック氏は成功した自動ステーブルコインは「ゼロ金利でも、保有の需要が買い入れの需要を超える状況」への対応メカニズムを持たなければならないと言っています。


総評

LUNAの事件が起きた際に、今までなんとなく使っていたステーブルコインについてかなり調べました。
その時に感じたことがあります。
・ステーブルコインは裏付け資産がないと信用できない
・ステーブルコインで高金利はポンジになる

LUNAはステーブルコインに高金利のプロトコルを付けることで急激に成長しました。
そしてまったく同じことをやって急成長しているトロンUSDDが存在感を増してきました。

ヴィタリック・ブテリン氏以外にも高金利のステーブルコインはいずれ破綻すると警鐘を鳴らしている方は多くいます。
またステーブルコインの法規制はいずれ入ると言われています。

そして普通に考えればなぜ20%以上の金利が付くのか想像が付くはずです。
どうやったら1年で1億円が2千万円も増えますか?いかに優れた暗号のエコシステムだろうと不可能なのは、ちょっと考えれば納得できるはずです。
しかしそれでも目の前に高金利がぶら下げられると、やってみたくなってしまう方が多いのが現状のようです。
この高金利がどこからやってくるのかよく考えてみるべきです。

本質はお金を預けてお金を受け取るという、新規ユーザーが入ってこなくなれば成り立たなくなるポンジスキームなんだなーというのが個人的な結論です。
まさに自転車操業なので、いずれどこかで破綻するのは目に見えてきました。

崩壊のシナリオは大きく2つあるのではないでしょうか。
1、市場価格の暴落によりTRONの価格が低下した時
2,USDD発行枚数を増やしすぎ、180~200%担保している裏付け資産が低下した時

時間が経過するほど、裏付け資産の担保は難しくなってくると思っています。
TRONの価格や裏付け資産をチェックすることで、ショートのチャンスがありそうです。
現物の場合は、投機として考えても1年預けたりするのは、なかなかリスクが高いと感じています。


調べてみた結果、私はこのように感じたのですが、みなさんはどう思われたでしょうか?

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