仮想通貨（暗号資産）のトレードを開始する段階でウォレットが必要になり、MetaMask（メタマスク）のことが気になっている人は、こちらの記事をチェックしていってください。メタマスクの特徴や評判、具体的な使い方について、徹底的に解説していきます。
目次
MetaMask（メタマスク）とは？
MetaMask（メタマスク）の概要
メタマスクとは、イーサリアム系の仮想通貨・トークンを保管するための、ネット上のウォレットのことです。イーサリアムのサービスを利用するためには、メタマスクが必須となります。
メタマスクが誕生したのは、2016年9月。月間アクティブユーザーは、2022年の時点で2,000万人を突破しており、目覚ましい成長を遂げています。
仮想通貨を保有する場合、取引所に預けておくパターンもありますが、万が一取引所がハッキングの被害に遭ってしまった際、全額が失われてしまうことにもなりかねません。
だからこそ、メタマスクのようなウォレットでも暗号資産を自己管理するという考え方が重要になってきます。
日本円に関しても、いくつかの銀行に預けたり、自宅の金庫で保管したり、財布に入れて現金として持ち歩いたり、分散させて保管をしますよね？
MetaMask（メタマスク）の特徴
メタマスクは、イーサリアム系トークンの専用ウォレットとなりますので、イーサリアム関連の仮想通貨を購入したいと考えている人向けのアイテムとなります。
シンプルで無駄のないインターフェイスが特徴的。サポートも充実しているので、これまで取引所しか利用したことがないユーザーでも、安心して利用できます。
イーサリアムはブロックチェーンの技術に優れており、金融、ゲーム、NFTといった各種サービスにおいて、世界的な広がりを見せています。
これからますます普及していくと期待されるイーサリアムの将来性に期待するのであれば、メタマスクの入手は必要不可欠と言えるでしょう。
MetaMask（メタマスク）の機能
メタマスクの主な機能
- トークンの新規購入
- トークンの送受信
- 通貨同士のスワップ
- イーサリアム系サービスの決済
MetaMask（メタマスク）のメリット
初期費用が掛からない
メタマスクをダウンロードするのは無料ですし、利用料も掛かりません。
初期費用を気にせず始められるのは、全てのユーザーにとって大きなメリットと言えるでしょう。
複数のウォレットを作成できる
メタマスクの優れた機能として、1つのアカウント内に複数のウォレットを作成し、一括で管理できることが挙げられます。
それぞれのウォレットに、固有のアドレスと秘密鍵を持たせることも可能です。用途に合わせていくつもウォレットを作ったり、家族のウォレットをまとめて管理したりすることができるのです。
一般的なウォレットだと、ウォレットの切り換えに時間が掛かり、これが手間となってしまうので、複数のアカウントをスムーズに切り換えられるメタマスクは、非常に便利であると言えます。
ガス代を自由に設定できる
ガス代とは、イーサリアム関連の取引を行う際に掛かる、手数料のことです。
ガス代は、高く支払えば、その分、スピーディーに処理してもらえるという利点があります。メタマスクを利用する場合、このガス代の設定を自由に調整できるので、手数料の払い過ぎをセーブすることが可能なのです。
スマホのアプリでも利用できる
メタマスクは、PCのブラウザで利用できるだけでなく、スマホのアプリも使うことができます。
インターフェイスがシンプルでわかりやすいと、評判になっています。
2,000万人以上が利用しているので、カスタマーサポートも充実しており、不明点やトラブルに対応してもらえるのが魅力です。完全ではありませんが、日本語にも対応しているので、語学力に自信がなくても安心して利用することができます。
セキュリティのレベルが高い
メタマスクのセキュリティレベルがいかに高いかを語る上で、キーワードとなってくるのが、「秘密鍵」「シークレットリカバリーフレーズ」の２つです。
秘密鍵とは、ブロックチェーン上に記録されたアカウント情報へアクセスするのに必要なパスワードのことです。
シークレットリカバリーフレーズとは、アカウント復旧のために使う12種類の英単語のことで、秘密鍵を取得するために使います。
このシステムがあることにより、アプリを削除してしまったり、パソコンが故障してしまったりしても、トランザクションの記録を復旧させることができるのです。秘密鍵とシークレットリカバリーフレーズは、必ずオフラインで管理することが必須となります。
ブロックチェーンゲームで使える
イーサリアムといえば、今後のブロックチェーンゲームの発展に期待が寄せられています。
メタマスクがあれば、入手した通貨をそのままゲームの中で使えるなど、ゲームに興味がある人にとってはかなりメリットが大きいと言えるでしょう。
トークンのスワップを単体で行える
メタマスクさえあれば、取引所を利用しなくても、保有している通貨と、任意の通貨をスワップすることができます。
この画期的な機能が追加されたことにより、ユーザーは別の取引所へわざわざ通貨を送信することなく、スムーズにトークンを交換できるようになりました。
MetaMask（メタマスク）のデメリット
イーサリアム以外との互換性がない
メタマスクは、あくまでもイーサリアム系列の仮想通貨・トークンを管理するためのウォレットです。
そのため、そのイーサリアム系列以外の通貨を保管したいのであれば、また別のウォレットを入手する必要があります。
対応しているブラウザが限定されている
メタマスクを利用することのできるPCブラウザは限定されています。
GoogleChrome、Firefox、Brave、MicrosoftEdge、の4種類以外では利用することができませんので、注意が必要です。
デフォルトのブラウザとして設定されている、Safari や InternetExplorer では利用できませんので、上記のいずれかのブラウザをダウンロードしましょう。
過去にハッキングの被害に遭っている
メタマスクは2020年12月にハッキングの被害に遭っており、8億円もの仮想通貨が奪われています。
これは、メタマスクがホットウォレットタイプであることによるもので、送受信が簡単である分、連携させるサービスの質によっては、ハッキングに遭うリスクが避けられないのです。
メタマスクを他のサービスと連携させる際には、相手側のサービスが本当に信頼できるものであるかどうかをよく確認しましょう。
MetaMask（メタマスク）の使い方は？
MetaMask（メタマスク）のインストール方法
メタマスクを利用したい場合、PCであればブラウザの拡張機能を使い、スマホの場合はアプリをインストールします。
インストールが完了したら、メタマスクのアイコンをクリックし、秘密鍵や、シークレットリカバリーフレーズの確認を行います。
秘密鍵やシークレットリカバリーフレーズの管理はオフラインで厳重に行いましょう。万が一盗難されてしまった場合、悪意ある第三者にウォレット内の通貨を奪われてしまう可能性があります。また、紛失してしまった場合にもアカウントの復旧等ができなくなってしまう等、被害が大きいので、スクリーンショットをプリントアウトをするなどオフラインで管理するのがおすすめです。
MetaMask（メタマスク）で入金する方法
メタマスクに通貨を入金する手順は、以下の通りです。
- メイン画面上部に表示されている、アカウントのアドレスをコピーする。
- 入金元の取引所へ行き、送金先のアドレスにコピーしたアドレスを貼る。
メタマスクには直接日本円を入金することができません。そのため、入金を行うには、対応している仮想通貨（ETH等）を、まず国内取引所などで入手し、そこからメタマスクへ送金する必要があります。
MetaMask（メタマスク）で送金する方法
メタマスクから送金（出金）をする手順は、以下の通りです。
- メイン画面から、送金したい通貨を選択する。
- 画面が切り替わったら、「送信」を選択する。
- 「受取人追加」に送金先のアドレスを入力する。
- 送金額と取引手数料を入力し「次へ」をクリック。
メタマスクから直接日本円を出金することはできまんせん。そのため、稼いだ通貨を日本円で入手したい場合は、一旦国内の取引所等へ送金を行い、そこから銀行口座などに日本円で出金をする必要があります。
MetaMask（メタマスク）にウォレットをインポートする方法
メタマスクのアカウントに別のウォレットをインポートする手順は、以下の通りです。
- 「マイアカウント」の画面で、「アカウントのインポート」を選択する。
- ウォレットの秘密鍵を入力し、「追加」をクリックする。
MetaMask（メタマスク）にトークンを追加する方法
メタマスクに任意のトークンを追加するためには、まずトークンのコントラストアドレスを取得しておく必要があります。イーサリアム系列トークンのコントラストアドレスは、「etherscan」というサイトで入手することができます。
検索ボックスの中に、追加したいトークンの名称を入力すると候補が現れるので、「Contract」の欄にある長い文字列をコピーしましょう。これが、コントラストアドレスになります。
続いて、メタマスク側に戻り「イーサリアムメインネット」の中の「import tokens」をクリックしましょう。「カスタムトークン」の中に、コントラストアドレスを入力する欄があるので、ここにコピーしたデータを貼り付け、トークンの追加を完了させます。
MetaMask（メタマスク）にネットワークを追加する方法
メタマスクは初期状態だと、イーサリアムに接続されています。
ただ、イーサリアム以外のネットワーク（ブロックチェーン）にも接続することができるので、こちらでその方法について開設していきます。
メタマスクにネットワークを追加する手順は、以下の通りです。
- 「設定」から「ネットワーク」を選択する。
- 「ネットワークの追加」をクリックする。
- ネットワーク名等、必要事項を入力する。
ネットワークを追加する際には、チェーンID、RPC URL、シンボル、等、いくつかの必要事項を入力する必要があります。これらは、各ネットワークの公式サイトで確認することができます。
MetaMask（メタマスク）でよくある質問
メタマスクに接続できるBSCとは？
BSCとは、BinanceSmartChain の略で、メタマスクに接続できるブロックチェーンネットワークのことです。
イーサリアムと互換性がありつつ、他のチェーンよりもガス代が安いので人気となっています。
バイナンスといえば、業界ナンバーワンの取引高を誇る、超大手の仮想通貨取引所。そのため、BSCは当然バイナンスの影響を受けることになります。
日本の金融庁はバイナンスに対して、未登録業者として過去に警告を出していますが、バイナンス側は、日本市場での法令を遵守し、金融庁と協力していく旨を発表しています。
メタマスクに接続できるPolygonとは？
Polygon（旧MATIC）とは、イーサリアムの、セカンド的ポジションにある、ネットワークソリューションです。トランザクションの速度を向上させ、コスト削減させることを目的として開発されています。
イーサリアムのブロックチェーンを各駅停車にたとえるなら、ポリゴンは快速急行のようなもの。移動が遥かにスピーディーであることがイメージできるでしょう。
2021年には価格が600%も上昇しているので、先見の明がある投資家は、既にポリゴンに注目していたはず。今後も、企業との提携が期待されるなど、ポリゴンへの注目度は高まっています。
メタマスクにNFT表示機能が追加される？
NFTとは、NonFungibleToken（＝非代替性トークン）の略で、唯一無二の資産価値を持つ、貴重な固有デジタルデータのことです。
このNFTの内容について、かつてメタマスク内では確認ができず、表示をさせるためには、いちいち各マーケットプレイスに接続をする必要がありました。
ただ、2022年より、メタマスク内でもNFTを表示できる機能が実装されることになりました。これは、ブラウザ版、スマホ版の両方で対応されるので、ますます利用が便利になるでしょう。
不要なメタマスクをアカウント削除する方法は？
メタマスクのアカウントは、削除することも、復元することも簡単に実行可能です。
ただし、アカウントを復元させるためには、秘密鍵と、シークレットリカバリーフレーズが必須となりますので、これらはオフラインで厳重に管理するようにしてください。これを紛失してしまうと、２度と復元することができなくなってしまいます。
メモするだけだと、スペルミスなどで誤入力をしてしまう可能性もありますので、スクリーンショットしたものを印刷するなど、何重にも管理をしておくことが望ましいです。
また、メタマスクをすぐに復元する予定がない場合は、内部で保管している仮想通貨をあらかじめ、その他のウォレットや取引所に送金しておきましょう。
ブラウザの拡張機能からメタマスクをアンインストールする場合は、メタマスクのアイコンを右クリックし、「Chrome から削除」を選択すればOKです。（Google Chromeの場合）
スマホからアプリをアンインストールする場合は、その他のアプリと同じように、アイコンを長押しして削除を実行します。
まとめ
- メタマスクはイーサリアム系列の仮想通貨・トークンを管理するためのウォレット。
- 操作が直感的で、ブラウザでも、スマホでも、どちらでも利用することができる。
- ガス代を自由に設定できたり、複数のウォレットを管理できたり、利便性が高い。
- イーサリアム系以外との互換性はないが、ゲームとの連携など将来性に期待できる。
